(前回までのあらすじ)
公園の望遠鏡から中年男女のイチャイチャを見たとたんにレイチェルの様子がおかしい。
どうしたレイチェル???
廃品置き場

日が傾きかけたころ、二人は廃品置き場にたどり着いた。
レイチェル「ゴミしかないじゃん」
クロエ「いやいや、宝の山だろ、探検しよう」
レイチェル「いい、一人でどうぞ、私は休みたい」
クロエには宝の山でもレイチェルにとってはゴミ。
人の価値観というのはこうも違うものか。

クロエ
「てか何なの、さっきまで楽しそうだったじゃん、急にどうしたんだよ」
レイチェル
「べつにどうもしない。一人になりたいだけ」
クロエ
「いやいや意味わかんねえ、あたし何もしてないだろ」
レイチェル
「いい加減にしてよ、ずっと「あたし」「あたし」ばっか、構ってちゃんにも程があるよ」
「たまには他の人のことも考えたらどうなの?」
結局、真正面からぶつかってしまう二人。
まあレイチェルのこの態度ではそうなるわな。

クロエ
「あんたはさ、学校のお姫様で、パパが検事で、成績優秀で、ビクトリア軍団にも崇拝されてるかもしれないけど、実際はただの…くそ女だ」
結局、言っちゃいけないことを言っちゃうクロエ。終わった。

「クソ女」と言われてレイチェルはその場を去ろうとする。

「レイチェル、待って!行かないで」
だけど、クロエから意外な言葉が!
先ほどまで罵倒していた相手を懇願して引き留めたのだ。
思わず足を止めるしかないレイチェル。

クロエ
「わかるよ、おかしいよな?ただ、今日は本当に楽しくて…。パパが死んで以来、一番楽しかったのに…いつもみたいに台無しにしそうになって気づいたんだ…これは特別な何かの始まりだって」
たぶんクロエは、マックスとレイチェルをどこかで重ねて見ているんじゃないだろうか。

レイチェル
「違うの、ただ…今すごく辛くて…理由は言えないけど…自分勝手なのはわかってる」
わかってるんならいいんですよ、わかってるんなら!

「じゃあね、クロエ」
だけど、結局は去ってしまうレイチェル。
取り残されたクロエはただ茫然とレイチェルの背中を追い続ける。
壊す

クロエ「もうどうにでもなれ」

壊す、壊す、壊す、壊す。

壊す、壊す、壊す、壊す。
どのボタンを押しても「壊す」の選択肢。
手あたり次第、バットで殴りつけていくクロエ。

そして、ふとクロエは発見してしまう。
そこにあったのは、なんと父ウィリアムのかつての車だった。
変形したフレームは事故の壮絶さを物語る。

コワス。
でも一体何を?
現実をか?過去をか?

でもきっとそれは壊せない。壊しようがない。
なぜなら、人間は過去に連なるこの現実を生きていくしかないから。
時間を巻き戻すことはできないから。
だから、もし辛ければ涙を流して眠るよりほかない。
夢

クロエは再び夢の中にいて、別の過去に引き戻されている。
ウィリアム「クロエを必要としている人もいる。本人が認めなくてもね」
父ウィリアムはやさしくクロエに助言する。

窓外にレイチェルが現れ、クロエを見つめる。
だがそのレイチェルは、なぜだかあっという間に炎に包まれてしまう。
まるで何かの暗示のように。
夜

ウィリアムの車内で目覚めるクロエ。
あたりはすでに帳が降りたあとだ。

クロエはとぼとぼと歩き出す。父の言葉に啓示を得たかのように。

クロエが目指したのはあの中年の男女が会っていた木の下。
そこにレイチェルもいた。

「女とここにいた男の人を覚えてる?」
「パパだったの。でもあの女の人は、私のママじゃなかった」
ようやくレイチェルは語り始める。

10歳の時に父親とハイキングした大切な思い出の写真。
レイチェルは父との決別を決意して、写真に火をつける。
「結局、受け止めるしかない」
それは、喪失と向き合うクロエとレイチェルの共通した結論だった。

そして、レイチェルの感情が爆発する。

巻き戻せない現実。それは壊してしまいたい現実。結局、受け止めるしかない現実。
現実と理想の狭間でどうしたらよいかわからずにいるレイチェルの叫びは、現実に抵抗する怒りの炎として燃え上がった。
エピソード1・完